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映画 「私の男」感想

今日は関東でも雪が降って、とてつもない寒さでしたね。寒いのはいくつになっても苦手なので今日は特に予定も入れず、家でゆったりしてました。映画「私の男」も鑑賞し終わったので感想です。

 

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公開日2014年6月14日 (日本)
  • 解説

直木賞作家・桜庭一樹によるベストセラー小説を、『海炭市叙景』などの熊切和嘉監督が映画化。流氷に閉ざされた北海道と東京を舞台に、孤児となった少女と彼女を引き取ることになった男の禁断の関係を描き出す。互いに秘密を抱え寄り添うように生きる父と娘には、浅野忠信と二階堂ふみがふんするほか、高良健吾、藤竜也らが共演。時代の移り変わりに合わせてフィルムとデジタルを駆使し、北海道の雄大な自然を捉えた映像にため息が出る。 (yahoo!映画 より)

 

  • あらすじ

奥尻島に猛威を振るった津波によって孤児となった10歳の花(山田望叶)は遠い親戚だという腐野淳悟(浅野忠信)に引き取られ、互いに寄り添うように暮らす。花(二階堂ふみ)が高校生になったころ、二人を見守ってきた地元の名士で遠縁でもある大塩(藤竜也)は、二人のゆがんだ関係を察知し、淳悟から離れるよう花を説得。やがて厳寒の海で大塩の遺体が発見され、淳悟と花は逃げるように紋別の町を去り……。(yahoo!映画 より)

 

 

 

原作を読み終わってあと何回かこの映画を見ようとしたが、その度に断念。重い内容の映画は嫌いではないが、何日か引きずってしまう・・・。

原作を知っているだけに悩みに悩んで二階堂ふみ目当てで見ようと決める。

やはり、圧倒的な美しさをもつ女優さん。浅野忠信もよかった。

 

 

 

原作とは違い時世通りに物語が進んでいくので、花がどんどん美しく成長していく様や、浅野忠信演じる「淳悟」がどんどん廃れていく姿が見れてよかった。「殺人」を犯す前の二人は、やはりどこか甘くてその背徳感に酔いしれる雰囲気だったけれども、田岡を殺害した後の淳悟の廃れ具合が凄まじい。枯れたクールなおじさんからゴミ屋敷に住むどうしようもないおじさんに成り下がる。

反対に花には「魔性の女」のイメージがついた。原作では花は「加害者」ではあるけど、やはり「最大の被害者」で、淳悟のせいで異常な世界に巻き込まれてしまった可哀想な女の子だったけど、ラストシーンでの淳悟の足に自分の足を這わせて「おめでとう、は?」にゾクッとした。

三年も会っていなかったのに、その色気にたじろぐしか出来ない淳悟は、幼い花を(一応)「父」として育てた年上の淳悟ではなく、ただの老いた「花なしではどうしようもない」男の顔。(原作で大塩さんが「男と女は別れるのが難しい」といってた通りになってしまった。)

 

原作とは違い、なぜ二人が肉体関係をもつようになってしまったのかを表現してなかったけど、ラストのシーンを見る限り花が必要に淳悟を誘ってたのかなと思う。大塩さんに見られた時も、淳悟から誘ったけれど途中で花が主導権を握るように上になって動いていたし、そこで血が垂れる演出も淳悟の血を吸っていきている「吸血鬼」みたいだった。

血を吸われ続けた淳悟は、もうどうしようもない、でもその快楽が忘れられないから「父親になりたい」と葛藤しつつも花を求めてしまう。

(美郎の指を舐める所も愛しい花の匂いを味わってるみたいだった。)

「毎日後悔」するけど「本当の家族」を知らない淳悟ではどうしたらよいのかもわからなかったんだろうな。

小学生の花を抱きかかえたり、ペットボトルを開けてあげたり、唯一「普通の親子」だった時の淳悟と花がトラックに乗って遠ざかっていく回想もよかった。二人はもう「普通の親子」には戻れないことを印象付けてるし、お互いが本当に必要としてるのはお互いの存在だけなんだと、私たちは彼らにとって第三者でしかないんだとその距離が伝えてくる。

 

 

原作と同じ評価3にしようと思うが、二階堂ふみ目当てだったら非常におすすめ。中学生から大人の花を、衣装や髪形だけじゃない「雰囲気」から綺麗に演じ分けていてさすがとしか言いようがない。

 

原作の内容も負けずと重いので好きな人はこちらもおすすめ。

 

izmmur0920.hatenadiary.com

movies.yahoo.co.jp

私の男

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