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映画「ミスト」感想・ネタバレ

時間があったから部屋を片付けた。

最近物欲もあまりなく、部屋をスッキリさせるのが好きなので不要なものは思い切って捨ててる。特に服なんかは体系がずっと一緒なので、5年近くの物もあった。可愛くても汚れてたり、型が崩れて着れないようなものは全て処分!(当たり前か・・。)クローゼットも片付いて気持ちいい。

 

 

 

 

少し前の話になるがずっと気になっていた映画「ミスト」を鑑賞し終わったので、感想・ネタバレを書いていこうと思う。

 

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公開日2008年5月10日 (日本)

 

 

  • 解説

『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』のコンビ、原作スティーヴン・キングと監督フランク・ダラボンが描くパニック・ミステリー。霧の中に潜む謎の生物に恐怖し、常軌を逸していく人々の姿を描く。混乱する人々をまとめようとする主人公を演じるのは、『パニッシャー』のトーマス・ジェーン。『ポロック 2人だけのアトリエ』のマーシャ・ゲイ・ハーデンが、混乱をあおる狂信的な宗教信者の中年女を怪演。思わず目を疑うような、驚がくのエンディングが用意されている。 (yahoo!映画 より) 

 

  • あらすじ

ガラス窓を破るほどの嵐の翌日、スーパーへ買い出しに出掛けたデヴィッド(トーマス・ジェーン)。軍人やパトカーが慌ただしく街を往来し、あっという間に店の外は濃い霧に覆われた。設備点検のために外に出た店員のジム(ウィリアム・サドラー)が不気味な物体に襲われると、店内の人々は次第に理性を失いはじめ……。 (yahoo!映画 より)

 

 

 

公開日がなんと2008年!当時中学生の頃からずっと気になっていた映画の1つだったけど、あれから8年もたったのか。「ショーシャンクの空に」、「グリーンマイル」共に好きな映画なのでミストにも期待。ホラー映画は苦手だが、ミストの怖さは幽霊的な怖さではなく、未知の世界から来たモンスターだったり、それらから購おうをする人間の豹変ぶりだったり。よく聞く言い回しを使えば「人間以上に残虐性にあふれた生き物はいない」をみせつけてくれる映画だと思った。

そしてポスターにもある「震撼のラスト15分」

映画の展開はけっこう読めてしまう方なのだが、このラストは思いも付かなかったし、見終わった後の虚無感が容赦なく襲ってくる。

引きずる映画なので、(余程のことがない限り)二度と見ないと思うが、主人公はずっと好感度が高く、頭が切れてカッコいいし、息子も可愛くて最高の親子。だから余計に、最後がやるせない。

 

話の展開の素晴らしさ・主人公を含めた登場人物の個性が光って良かった。

評価4としたい。

 

 

気になっている人でまだ見ていない人、ネタバレに進む前に是非

映画鑑賞をおススメ!

 

 

 

以下ネタバレ

 

 

 

 

 

 

 

冒頭は嵐が起き、主人公のアトリエに大きな木が突っ込んでくるシーンから。

自然災害にしては木の入り方が不自然で、昔(2008年)の演出だからこんなものか、なんて少し馬鹿にしながら見てたけど立派な付箋でした。見下しててすいません。

嵐もその後に起こった地震も自然災害ではなく「奴ら」の仕業だったんだね。

 

「窓が壊れた」ことをどことなく強調してデヴィッドと息子は、仲の悪いご近所さんと一緒に食糧調達にスーパーマーケットへ。買い物中いきなり濃すぎるほど濃い霧に包まれ、周りがなにも見えなくなってしまう。そこへ飛び込んできた「外へ出るな!」と叫ぶ血まみれの男。スーパーに面白い程個性的なキャラが集まってきて、どんどん緊張感が高まってくる。

 

俗にいう死亡フラグが立ちまくっていた隣人は、立ちすぎて逆に改心しながら生き残る役かと思いきや案外あっけなく死んでしまう。確かに未曽有の災害すぎて解決策なんてないけれど、それでも無鉄砲に行くべきではないと思った。(モンスター以前に霧の原因が科学スモッグと言われてるのに、外に出たがるのか信じられない。そこは我を通すステレオタイプなアメリカ人の思考かな。実際死んでしまうので、結局浅はかに見えてしまう。)

 

 

外部からの圧倒的な力を目にすると、殺しあうのは仲間内になってしまうんだと痛感させられる。登場シーンでは腫物を扱うみたいに距離を置かれていた女性が「宗教様」に成り果て「信者」を引き連れる様も考え物。「藁にもすがる」ではないけど、恐怖に身がすくむとこうも人は豹変するのだと見せ付けられた。

 

そんな中でも主人公だけが先を見据えて「息子のために」行動していたのが素晴らしかった。

 

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最後車に無事乗りこむことに成功した一向が目にしたのは、目を見張るほどの大きなモンスター。(おそらく序盤の地震もこいつのせい。)

 

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圧巻すぎて、神様のそれのような神秘的な迫力に「倒す」「逃げる」こともせず、ただ見つめることしか出来ない一同。映像もさることながら音楽ともマッチしているシーンに「抗うことを諦める」思考へと導かれる。そしてガスが切れ、主人公以外、自決。

その直後「震撼のラスト」が訪れる―。

 

 

 

実際私がアメリカ留学中に、霧や銃、停電、MP、ましてやご近所トラブル(笑)にも遭遇したことがあるけれど、この映画は実際アメリカで当たり前に起こっている現象をSFの世界と上手く融合させたと思う。缶詰め状態になった人間の個々な行動もよく描けていたし、共感できるのが多かった。

良くも悪くも議論される「ラストシーン」だけど、「もう少し待っていれば」の意見は結果論だから言えたことだし、息子も言っていた通り「怪物に殺させないで」の約束を果たそうとしたら、やはり自決しかないのかなと思った。(約束を「怪物から守る」ではなく「自らの手で殺す」として果たしたのはすごく皮肉だけれど。)

スーパーからすぐ抜けた女性が助かったのだって、結局は彼女はすごく運が良かっただけだし、あそこで抜けていたら助かったなんて保障はどこにもなかった。(息子の安否を考え、スーパーに残ったのは賢明だったと思うし、今考えても誤った判断ではないと思う。)だからこそ、本当にやるせない。

 

 

印象に残ったシーンはいろいろあるけれど、母親が死亡していたシーンは悲しかった。スーパーでは「窓が少し壊れた」だけで悲惨な状況になり何人も死んだけど、もともと「窓が全壊した」家に母親1人、助かる見込みなんてほぼ無いと予想がついたけど、死体を見てしまうとやはりダメだ。どこかで生き延びてて2人に再開してほしかった。息子が唯一眠り続けていて、見ずに済んだことだけが救いだったかなと思う。家族3人揃ったシーンは序盤しかなかったけれど、あれだけで仲の良いアットホームな家庭を印象付けてくれて、映像には全く残ってないけど、母親は母親で2人の無事を願いながら戦って死んでいったのかなとも想像してしまう。

 

 

 

話自体は「起承転結」のシンプルな構成で見やすく、飽きることなく見れたのは、登場人物やモンスターまでにも個々に違いがあったからかな。(モンスターはベルセルクにでてきそう。というか最初の触覚に見覚えがありすぎる(笑))

 

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そしてやはり、主人公に感銘。結果がどうであれ、私は素晴らしい父親であったと思う。

 

 

 

 

 

 

 

  

 

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